2008年12月31日水曜日

「オーデュボンの祈り」2008年を終えるにあたって

 今年最も印象的な鳥は、11月17日にお隣の松江市で観察したナキハクチョウでした。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081226-00000590-san-soci
 米子水鳥公園で観察したわけではないのですが、私たちにとって、この鳥は特別な意味を持っています。
 ナキハクチョウは、世界最大のハクチョウでその鳴き声からトランペッタースワンと呼ばれています。しかし、北米のみに生息するこの鳥は、20世紀初頭には、狩猟などによって個体数が100羽以下となり、絶滅の危機にひんしていました。そのような中、オーデュボン財団などアメリカの鳥類保護団体がナキハクチョウの回復運動を始め、その活動が広がって100年かけてやっと絶滅の危機から回復したのです。その数は、現在、23,000羽以上です。
 今、日本で話題になっているトキやコウノトリの復元のまさに走りという活動といってよいでしょう。そして、絶滅しかかっていたナキハクチョウが北米で増え、ついに日本に迷い込んでくるようになったのです。そうなるとは、保護活動を始めた人たちは思いもしなかったでしょう。松江にやってきたナキハクチョウはただの偶然ではなく、多くの人々の努力の結果なのです。
 ナキハクチョウを見に集まる多くの人々を見ながら、自然保護にかかわるものとして、100年後に評価される仕事をしたいと感じています。
 写真:回復事業において放鳥されたナキハクチョウ(2001年 バージニア州にて) 









カナダ(?)の保護団体の人からもらった
ナキハクチョウのステンドグラス